別居中の不貞行為で慰謝料はもらえる? 証拠集め&請求方法を解説!

「パートナーが別居中に不貞行為におよんだので、具体的にどんな方法で慰謝料請求できるか知りたい」とお考えなら、ぜひこの記事をお読みください。別居中であっても、夫婦関係が破たんしていない状態での不貞行為は不法行為に当たるため、慰謝料請求の対象になります。しかし、慰謝料を請求するためにはどんな証拠が必要か、どんな方法で請求すべきかなどよく分からないこともあるでしょう。

そこで今回は、別居中の不貞行為や慰謝料について詳しく解説します。

  1. 別居中の不貞行為は慰謝料請求の対象になる?
  2. 夫婦関係の破たんが認められるのはどんな場合?
  3. 別居中の不貞行為の慰謝料相場は?
  4. 別居中の不貞行為の慰謝料を請求する方法
  5. 別居中の不貞行為の証拠を集めるには?
  6. 別居中の不貞行為に関するよくある質問

この記事を読むことで、別居中の不貞行為について慰謝料を請求する方法や証拠を集めるポイントがよく分かります。別居中のパートナーに不貞行為が発覚した人は、この記事を読んで慰謝料請求を有利に進めましょう。

1.別居中の不貞行為は慰謝料請求の対象になる?

最初に、別居中の不貞行為で慰謝料請求の対象になるケースとならないケースについて見ていきましょう。

1-1.慰謝料請求の対象になるケース

別居中の不貞行為に対してどんなケースが慰謝料請求の対象になるか、具体的に見ていきましょう。

1-1-1.夫婦関係の修復ために別居していた

夫婦関係の修復のために別居していた場合は、慰謝料請求の対象になります。別居の目的がお互いを見つめ直し、婚姻関係を継続するためのものであったのに、不貞行為におよんだからです。夫婦の関係を修復する努力をするどころか真逆の行為をしたのですから、慰謝料請求の対象となって当然といえます。

1-1-2.単身赴任中など仕事関連で別居していた

単身赴任中など仕事関連で別居していた場合も、慰謝料請求の対象になります。理由は、夫婦関係が破たんしていることによる別居ではないからです。夫婦関係が破たんしていないのに不貞行為におよんだのでは、単なる自己中心的な行動であると見なされます。たとえ単身赴任中でさみしかったとしても、不貞行為におよんでよい理由にはなりません。

1-2.慰謝料請求の対象にならないケース

別居中の不貞行為でも、慰謝料請求の対象にならないこともあります。

1-2-1.別居する前に夫婦の仲が冷えきっていた

別居する前に夫婦の仲が冷えきっていたと判断される場合は、慰謝料請求の対象になりません。別居の理由がお互いに愛情がなくなったからなどでは、離婚に向けての準備段階と判断されるからです。別居前後に肉体関係を数か月以上持っていない、必要最低限の接触にとどまるといった状況では、夫婦関係が冷えきっていたと見なされて当然でしょう。

1-2-2.不貞行為の相手がパートナーから強要されていた

不貞行為の相手が、パートナーから肉体関係を持つことを強要されていたなどの場合は、不貞行為の相手に対して慰謝料請求できません。不貞行為は、あくまでも双方の自由意思によって行われたことが大前提になります。したがって、パートナーが職場などの立場を利用して肉体関係を迫った、同意を得ず強引に肉体関係を持ったなどの場合は、不貞行為の相手に対しては慰謝料請求できないのです。

2.夫婦関係の破たんが認められるのはどんな場合?

別居中の慰謝料請求においては、夫婦関係が破たんしていたかどうかが大きなカギになります。実際に夫婦関係の破たんが認められるのはどんなケースか、具体的にご紹介しましょう。

2-1.夫婦関係の破たんが認められるケース

まずは、夫婦関係の破たんが認められる場合について見ていきましょう。

2-1-1.双方とも離婚に合意している

すでに双方とも離婚に合意している場合は、別居中の夫婦関係の破たんが認められるでしょう。実質的に夫婦の関係が破たんしている状態なので、不貞行為におよんでも慰謝料を請求する理由にはなりません。婚姻状態を継続する意思がない時点で夫婦の関係は冷えきっており、離婚まで秒読みの状態だったと判断できるからです。

2-1-2.別居期間中に一切接触していない

別居期間中に一切接触していない場合も、夫婦関係が破たんしていると判断されるでしょう。夫婦関係が続いているのであれば、何らかの接触があるものです。直接会えないにしても、電話やメール・SNSなどでつながる方法はいくらでもあります。にもかかわらず、一切の接触がない場合は、夫婦として終わっていると判断するのも自然なことです。

2-1-3.パートナーからのDVなどにより別居していた

パートナーからのDVなどにより別居していた場合も、夫婦関係が破たんしていると認められます。パートナーからDVを受けている時点で、すでに夫婦関係が破たんしていると判断できるからです。DVの加害者側が否定しても、被害者側がDVによってできた体の傷や精神的なダメージを証明することができれば、問題ありません。

2-2.夫婦関係の破たんが認められないケース

一方、以下のような場合は、夫婦関係の破たんが認められないことがあります。

2-2-1.別居中でも定期的に会ったり食事したりしている

別居中でも、定期的に会ったり食事をしたりしている場合は、夫婦関係が破たんしていると認められないでしょう。お互いが自由意志により会ったり食事をしたりしている状態なら、夫婦関係が続いていると判断するのが妥当です。別居していても、単に住居を別々にしたスタイルの結婚生活だと判断することもできます。

2-2-2.別居中でも肉体関係がある

別居中であっても、夫婦の間に肉体関係がある場合は、夫婦関係が破たんしているとは判断できません。片方からのDVなどにより強要されいてる場合を除き、自由意志で肉体関係を持っていると判断できるからです。正式に離婚もせず肉体関係が続いているとなれば、一般的な夫婦と同様の状態と見なされます。

2-2-3.別居中でも夫婦の生活費を分けていない

別居中であっても、夫婦の生活費を分けていない場合は、夫婦関係が破たんしていないと判断されるでしょう。いずれかが経済的な自立が難しい場合であっても、生活費を分けていない時点で夫婦の扶養義務を果たしていると判断できるからです。たとえば、別居中であっても夫から妻に対して継続的に生活費が振り込まれている場合などは、夫婦関係が続いていると見なされてもおかしくありません。

3.別居中の不貞行為の慰謝料相場は?

別居中の不貞行為の慰謝料相場について、詳しく見ていきましょう。

3-1.50~300万円程度が相場

別居中の不貞行為で慰謝料を請求する場合は、50~300万円程度が相場です。慰謝料が高額になるパターンについては、後述する「別居中の不貞行為で慰謝料が高額になるケース」を参考にしてください。実際の金額は、個々の状況によって異なります。あくまでも相場なので、パートナーに支払い能力があり、支払いに応じるのなら300万円以上の金額を請求することも可能です。

3-2.別居中の不貞行為で慰謝料が高額になるケース

以下のような条件を満たす場合は、慰謝料が高額になるのが一般的です。

  • 別居中に不貞行為を繰り返した
  • 別居中の不貞行為が理由で離婚し、子どもを引き取ることになった
  • 不貞行為の相手を妊娠させた

そのほかにも、状況によって慰謝料の金額が上乗せになることもあります。詳しくは、弁護士などに相談してみてください。

4.別居中の不貞行為の慰謝料を請求する方法

別居中の不貞行為の慰謝料を請求する方法や流れについて、具体的に確認していきましょう。

4-1.当事者同士で話し合う

まずは、当事者同士で慰謝料の支払いについて話し合いましょう。慰謝料の金額・支払い方法・期限などを、具体的に決めてください。ポイントは、終始冷静に対処することです。感情的になると口論になったり話がまとまらなくなったりするので注意してください。話し合いをスムーズ進めるためにも、口が堅く、信頼できる第三者に同席を依頼することがおすすめです。また、話し合いの内容はすべて記録しておきましょう。筆記だけだと記載もれが発生したり間違えたりすることがあるので、音声記録も同時に行っておくことがおすすめです。最後に要約した文書を作成して両者がサイン・押印し、証拠として残しておきましょう。

4-2.内容証明郵便を送付する

慰謝料の支払いについて当事者同士の話し合いで解決しない場合や、話し合い自体を拒否された場合などは、内容証明郵便を送付しましょう。内容証明郵便を送付することで、心理的なプレッシャーを与えることができ、スムーズな支払いにつながることがあります。なお、弁護士に相談すると、内容証明郵便の代行送付を依頼できて便利です。弁護士の名前を出すだけで支払いに応じる人も多いので、検討してみてください。

4-3.慰謝料請求訴訟を起こす

内容証明郵便を送付しても慰謝料の支払いに応じてもらえない場合は、慰謝料請求訴訟を検討しましょう。慰謝料請求訴訟の手続きは、居住区の家庭裁判所で行うことになります。自分でも手続きできますが、弁護士に相談して代行してもらうとよいでしょう。複雑な手続きを代行してもらうことで、時間や労力の節約になるほか、心理的な負担も軽くなるからです。また、法律の知識に基づいてアドバイスを受けられたり、代理人として交渉を依頼できたりすることなどもメリットでしょう。お金はかかりますが、確実に慰謝料を支払ってもらうためにも検討してみてください。

5.別居中の不貞行為の証拠を集めるには?

別居中の不貞行為についてどんな証拠があると慰謝料請求に役立つか、どんな方法で証拠を集めることができるかなど詳しく見ていきましょう。

5-1.どんな証拠があると不貞行為の慰謝料請求に役立つ?

慰謝料請求の際、別居中の不貞行為を客観的に判断できる証拠があると、有利に進めることができます。具体的には、以下のようなものです。

  • 不貞行為中もしくは近い状態の写真や動画
  • ラブホテルなどに2人で出入りしている写真や動画
  • 不貞行為の事実をやり取りしているメールやSNSなどの記録

5-2.不貞行為の証拠を集める方法

不貞行為の証拠を集めるには、自分で調査する方法とプロの探偵に依頼する方法の2つがあります。

5-2-1.自分で調査する

不貞行為の証拠は、以下のような方法により自分で集めることもできます。

  • パートナーに直接聞いてみる
  • パートナーの知人や友人などに聞いてみる
  • パートナーの行動を張り込む
  • パートナーの財布の中身や持ちものなどをチェックする

ただし、自分で証拠を集めようとしても時間ばかりかかって効率が悪いだけでなく、証拠をつかんでも客観性に乏しいと判断されることもあります。

5-2-2.プロの探偵に依頼する

客観的な証拠を集めるには、プロの探偵に調査を依頼するのがおすすすめです。具体的には、以下のようなポイントに当てはまる業者に依頼するとよいでしょう。

  • 不貞行為の調査実績が豊富にある
  • 正式な依頼を前提とした簡単な相談や見積もりは無料
  • リーズナブルかつ分かりやすい料金システム
  • 都合のよい調査期間を考慮してもらえる
  • 調査結果を分かりやすく調査報告書にまとめてもらえる
  • スタッフが親身になって相談に乗ってくれる
  • 顧客からの評判がよい
  • 守秘義務および個人情報保護に十分な配慮が見られる
  • 活動地域の公安委員会に探偵業の届け出済み

なお、当アヴァンスも、別居中の不貞行為について数多くの調査をお受けし、ご好評をいただいています。まずは、お気軽にお問い合わせください。

6.別居中の不貞行為に関するよくある質問

最後に、別居中の不貞行為に関する質問に回答します。それぞれ役立ててください。

Q.別居中に不貞行為が発覚してもやり直すことはできる?
A.お互いに夫婦としてやり直す気持ちがあり、関係修復に向けて努力することができれば可能です。そのためには、不貞行為をされた側が寛容な心を持つことも大切でしょう。

Q.1回不貞行為をした人は今後も繰り返すと聞いたのですが?
A.断言できません。1回の不貞行為で十分に反省し、繰り返さない人もいます。ただし、不貞行為に至る心理的なハードルが崩れてしまう人も多く、繰り返してしまう人も多いでしょう。

Q.別居中に不貞行為をしやすいタイプの特徴は?
A.以下を参考にしてください。

  • 異性からよくモテる
  • 性欲が強い
  • 優柔不断
  • 自由になるお金が多い
  • 大きなストレスを抱えている

Q.別居中の不貞行為はされた側にも問題があるのでは?
A.確かに、不貞行為をされた側に問題があるケースもあるでしょう。しかし、どんな問題があっても不貞行為を正当化する理由にはなりません。

Q.不貞行為の相手にも法的な制裁を受けてもらうには?
A.別居中の不貞行為については、相手にも慰謝料請求することが可能です。別居中とはいえ、既婚者と肉体関係を持つことは許されることではありません。なお、感情的になって不貞行為の相手に対して勤務先や近所などに中傷を広めたり、ビラを配ったりするのはやめましょう。反対に、名誉棄損などで訴えられることがあります。

まとめ

今回は、別居中の不貞行為について詳しく解説しました。別居中であっても婚姻関係が継続しているのなら、不貞行為は許されるものではありません。そのため、すでに夫婦関係が破たんしていた場合を除き、慰謝料請求の対象になります。離婚する場合は、パートナーと不貞行為の相手の両方、離婚せずにやり直す場合は、不貞行為の相手だけに請求するのが一般的です。なお、確実に慰謝料を支払ってもらうには、客観的な証拠が必要になります。客観的な証拠を集めるには、プロの探偵に依頼するとよいでしょう。効率よく調査してもらえ、調査にかかる時間や手間を大幅に節約できるなど、メリットが多くて便利です。