配偶者の浮気で離婚した場合、養育費はどうなるのか? 慰謝料の請求方法も

「配偶者の浮気が原因で離婚した場合、養育費はどうなるのか?」「どうすれば養育費が請求できるのか」など、養育費について悩んでいる方は多いでしょう。配偶者の浮気が原因の場合、浮気の証拠をつかんでおけば慰謝料が請求できます。ただし、養育費や慰謝料の金額はケースバイケースです。

本記事では、配偶者の浮気で離婚した場合の養育費について詳しく説明します。

  1. そもそも養育費とは?
  2. 配偶者の浮気で離婚した場合の養育費は?
  3. 養育費の相場や支払われる期間は?
  4. 養育費をもらっても慰謝料は請求できるのか?
  5. 浮気による養育費に関してよくある質問

この記事を読むことで、養育費の相場や支払われる期間なども分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.そもそも養育費とは?

そもそも養育費とはどのようなものなのか、基本情報をチェックしておきましょう。

1-1.未成年の子どもを育てるために必要な費用

養育費について簡単に説明すると、未成年の子どもを育てるために必要な費用のことです。未成年の子どもは親が育てる義務がありますが、そのためには監護養育のための費用が必要となります。基本的に、子どもを監護している親(親権者)に対して、監護してない親が支払うものです。つまり、親権者は養育費を支払う必要はありません。また、監護に要する費用といってもさまざまな種類があります。たとえば、赤ちゃんのオムツ代・離乳食代、体操着・教材・文具代・給食費など子どもの成長に合わせて必要になる費用です。

1-2.教育に関する費用に対して適用されるもの

前述したように、養育費は子どもの成長に合わせて必要なものに支払われるものです。教育に関する費用に対して適用されるものと思っておいてください。未成年の子どもを育てるための環境づくりは、夫婦双方の義務とされています。支払う義務のある者だけに頼るのではなく、親権者が自分自身で負担する部分もあるでしょう。ただし、養育費を受け取った側は受け取った側の判断で、その金額を子どものために使わなければなりません。養育費をすべて自分のために使うのはNGです。

2.配偶者の浮気で離婚した場合の養育費は?

ここでは、配偶者の浮気で離婚した場合の養育費について解説します。

2-1.浮気した配偶者に対して養育費は請求できる

配偶者の浮気によって離婚をした場合、浮気をした本人へ養育費の請求ができます。前述したように、未成年の子どもを育てる義務は双方の親に発生するものです。離婚をすると夫婦は赤の他人になりますが、子どもは血縁者となります。親である以上、子どもの親として養育費を負担するのが浮気をした本人の義務なのです。浮気をした本人は養育費を請求されたら、収入に応じての金額を支払わなければなりません。

2-2.どちらが親権を持つかが重要

浮気が原因で離婚することになると、一般的に浮気をした側が慰謝料を支払うケースが多いでしょう。浮気をした本人が悪いというイメージが強いので、養育費も浮気をした本人が支払うものだと思っている方は多いはずです。けれども、養育費に関しては、どちらが親権を持つかによって変わることになります。たとえば、夫が浮気をして妻が親権を持つ場合、夫が妻に対して養育費を支払うでしょう。けれども、場合によっては夫が浮気をして夫が親権者になることがあります。その場合は、浮気をされた妻が夫に対して養育費を支払わなければなりません。「相手の浮気で離婚することになったから」という言い訳は通用しないので注意してください。

2-3.夫婦関係の破綻と養育費は無関係

前述したように、夫婦関係の破綻と養育費は無関係であることが分かります。浮気が原因の慰謝料に関しては、夫や妻のどちらが夫婦関係を破綻させたかという要素が重要となりますが、養育費は無関係です。養育費はあくまで子どもを育てるために必要な費用ですので、夫婦間の問題とは切り離して考えることになります。そのため、相手の浮気で離婚することになったとしても、養育費は別問題として扱いましょう。

3.養育費の相場や支払われる期間は?

ここでは、養育費の相場や支払われる期間について解説します。

3-1.夫婦の年収で変わる養育費

養育費は、支払う側と支払いを受ける側の年収によって変わります。養育費を支払う側の年収が多ければ、その分養育費の金額は上がることになるでしょう。同時に、支払われる側の年収が上がれば、養育費の金額は下がることになります。そのため、必要な養育費を相手に請求したくても、相手の年収が要求金額まで達していなかった場合は希望額よりも引き下げられることになるというわけです。また、子どもの人数が増えると養育費の金額が上がり、子どもの年齢が15歳以上になると養育費の金額が下がります。さまざまなポイントを考慮した上で養育費が決まるでしょう。

3-2.0~14歳で約4万~6万円、15~19歳で約6万~8万円

養育費の相場は、0~14歳で1か月あたり約4万~6万円、15~19歳で1か月あたり約6万~8万円となります。これは、夫の年収が600万円、妻の年収が200万円のケースです。妻が専業主婦で収入がない場合は、養育費が上がるでしょう。また、子どもの年齢が上がるほど進学などにお金がかかってしまうため、養育費も高くなります。

3-3.養育費の計算方法

自分たちのケースの場合、養育費はいくらぐらいになるのか気になっている方は多いでしょう。その場合は、裁判所が養育費の目安として記載している「養育費算定表」をチェックしてみてください。算定表には、子どもの人数と年齢に応じて表1~9に分かれています。たとえば、子ども2人(0~14歳と15~19歳の子どもがそれぞれ1人ずつ)の親権者には、年収1,000万円以上の場合、16万~34万円の範囲で養育費を支払うことになるでしょう。ほかにも、養育費算定表には使用手順なども細かく記載されているので、当てはめながらチェックしてください。

3-4.成人する20歳まで支払う

基本的に、養育費は成人する20歳まで支払うことになります。あくまで「未成年の子ども」を育てるために必要な費用となるため、成人するまでに支払うケースが多いでしょう。けれども、個別の事情によって支払期間に差異が生まれることになります。たとえば、子どもが高校を卒業してからすぐん働く場合、高校卒業と同時に養育費の支払いが止まるでしょう。大学に進学する場合は、大学の卒業まで養育費の支払期間を延長することになります。けれども、大学院に進学することになると、養育費を支払うケースは少なくなるでしょう。大学院に進学する年齢は大人としても判断できる歳(とし)ですので、子どもと一緒に相談することをおすすめします。

4.養育費をもらっても慰謝料は請求できるのか?

ここでは、養育費をもらっても慰謝料請求はできるのか、慰謝料請求について説明します。

4-1.離婚時に慰謝料も請求できる

離婚時には、養育費と併せて浮気をした配偶者へ慰謝料も請求できます。前述したように、夫婦間の問題と子どものことは別物ですので、養育費と慰謝料請求もそれぞれ個別に請求できるというわけです。ただし、必ず慰謝料がもらえるわけではありません。慰謝料は、浮気によって相手が受けた精神的苦痛に対して支払われるお金です。つまり、浮気をした本人からすると償いを目的としています。この精神的苦痛が慰謝料請求に大きく関係することになるため、性格や価値観が合わないことを理由に離婚する際は請求できません。

4-2.慰謝料の相場は約50万~300万円

浮気が原因の場合、慰謝料の相場は約50万~300万円となります。相場が幅広いのは、夫婦間の事情や被害の程度によって金額が大きく変動するからです。慰謝料が高額になる要因としては、婚姻期間が長い・離婚原因となった事項の継続期間が長いことが挙げられるでしょう。ほかにも、夫婦の間に子どもがいたり、請求された側の支払い能力が高かったり、被害者側に落ち度がなかったりする点も慰謝料が高額になる要因です。浮気によって精神的苦痛が大きくなるほど、慰謝料の金額も高額になるでしょう。

4-3.慰謝料請求には浮気の証拠が必要

養育費とは違って、慰謝料請求をするためには浮気の証拠が必要不可欠です。第三者がみて浮気が分かるような証拠でないと慰謝料請求はできませんので注意してください。たとえば、浮気相手とラブホテルに入っていく写真や不貞行為が分かるようなメールでのやり取りなどがあります。慰謝料請求のときだけでなく、協議離婚や離婚調停の際にも浮気の証拠が必要になるでしょう。また、当事者の間に肉体関係があることも証明しなければなりません。確実な証拠を獲得するためには、自分で浮気調査をするよりも探偵事務所に依頼したほうが安心です。千葉県を中心に探偵業を行っているアヴァンスでは無料相談を受け付けているので、悩んでいる方はぜひ一度ご相談ください。

5.浮気による養育費に関してよくある質問

浮気による養育費に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.養育費の金額を決める方法は?
A.前述したように、さまざまな項目を考慮した上で養育費の金額を決めることになります。一般的に、夫婦が離婚の際に話し合いをして養育費を取り決めることになるでしょう。話し合いでは感情的になってしまう恐れがあるため、冷静かつ適切な養育費を決めるためにも弁護士を仲介するのがおすすめです。どうしても養育費で揉(も)める場合は、離婚の裁判時に取り決めるケースもあります。

Q.養育費を請求する際にやるべきことは?
A.必ず取り決めた内容を公正証書にしてください。公正証書とは、ある人が法的に意味のある行為をしたという事実を証明するための文書です。近くの公証役場に公正証書の作成を申し込むことで作成できます。作成する際は、どういった条件で離婚をしたいのか、公証人に告げる必要があるでしょう。養育費や離婚条件について取り決めた内容を公正証書に残すことで、トラブルにも対処できます。たとえば、相手が将来、養育費の支払いをしなくなった際は公正証書を使って相手の預貯金・給料などを差し押さえることが可能です。養育費を支払ってもらうために、公正証書として残しておきましょう。

Q.別れた配偶者が再婚したら養育費はどうなるのか?
A.養育費を支払う側が再婚した場合、再婚相手の収入などに合わせて養育費の額が決め直されることになるでしょう。元配偶者の状況に変化が起きているため、養育費も見直す必要があるからです。元配偶者が再婚によって子どもが生まれた場合、養育費の減額を求める可能性もあります。減額の要求が認められるわけではありませんが、その可能性もあると思っておいたほうがいいでしょう。
また、養育費を受け取る側が再婚した場合も再婚相手の収入が考慮されることになります。養育費の減額につながるわけではありませんが、子どもが再婚相手と養子縁組みをすると法的な親子関係が生じるのです。そのため、元配偶者が支払う養育費の金額が減額する可能性はあります。

Q.親権を決める基準とは?
A.養育費の支払い義務は親権をどちらかが持つかによって異なりますが、親権を決める基準は明確になっていません。代表的な考慮基準としては、主に監護を担ってきた者が引き続き監護を担うべきという考え方があるでしょう。つまり、妻が子どもの世話を行っていた場合、妻が親権を持つ可能性が大きいということです。ほかにも、子どもの意思が反映されたり、夫婦間で兄弟姉妹を分離して親権を取得したりするなどもあります。

Q.探偵事務所選びのポイントは?
A.どの探偵事務所に依頼すべきか分からない方は、以下のポイントを参考にしてくださ。

  • 浮気調査の実績があるか
  • 調査員やスタッフの対応が丁寧でスピーディーか
  • 料金設定が明確になっているか
  • アフターサービスが充実しているか
  • どのような方法で調査をしているのか説明してくれるか
  • 無料相談や無料見積もりを受け付けているか
  • 見積書の内容が具体的に記載されているか

まとめ

配偶者の浮気が原因で離婚することになった場合、養育費も相手へ請求できます。けれども、基本的に養育費を支払うのは親権を持っていないほうです。夫婦間の問題と子どもの養育費はまったく別物と考えられているため、浮気をした本人が親権を持つと、浮気をされた人が支払うことになります。さまざまな注意点があるため、専門家である弁護士に相談しながら養育費について取り決めることが大切です。