不倫の慰謝料相場・必要条件・請求する際の注意点などを詳しくご紹介
不倫は不貞行為であるため、慰謝料を請求できる場合があります。慰謝料の金額はそれぞれの事情によって異なるものです。とはいえ、慰謝料の相場はいくらぐらいなのか、どうやって慰謝料請求をすればいいのかなど、分からない点も多くあるでしょう。
旦那の浮気などが原因で離婚を考えている方は、慰謝料の相場や請求するために必要な条件について知っておくと安心です。
そこで、本記事では、不倫における慰謝料請求の流れや請求する際の注意点などをご紹介します。
不倫の慰謝料は、それぞれの事情によって異なります。慰謝料請求をする際は、相場を知っておくことが大切です。
1.不倫で慰謝料請求はできる?
まず、不倫で慰謝料請求をすることができるのかを考えていきましょう。
1-1.できる場合とできない場合がある
不倫が発覚しても、慰謝料請求ができる場合とできない場合があります。なぜなら、不倫の原因が自分にある場合、一概に配偶者だけを責めることができないからです。たとえば、旦那が浮気した原因が、セックスレスや妻としてきちんと家事をしていないことへの不満などである場合が挙げられます。慰謝料請求を検討する前に、不倫の原因をきちんと把握することが大切です。
1-2.自分に落ち度がない場合は請求可能
自分に落ち度がない場合、慰謝料請求は可能です。また、配偶者に特別な事情がなく、認知能力がきちんとある場合は、浮気の確信犯といえるでしょう。精神的苦痛を与えられたことに対し、しっかり慰謝料請求を行うことができます。
1-3.不倫によって夫婦関係が破綻した場合
不倫によって夫婦関係が破綻した場合、慰謝料請求が可能です。不倫が発覚したことで、精神疾患を発症した・別居を余儀なくされた・社会的信頼を失ったなどの場合、慰謝料請求の対象となります。
1-4.時効が成立している場合は難しい
不倫には時効があります。不倫の事実を知ってから3年、もしくは不倫の事実が発覚してから20年が経過していると、時効が成立するため、慰謝料請求が難しくなるのです。
2.不倫の慰謝料相場はどのくらい?
不倫の慰謝料相場について考えていきましょう。
2-1.別居や離婚に至らないケース
不倫が発覚しても、別居や離婚に至らないケースでは、慰謝料相場は低く抑えられる傾向があります。今後も婚姻関係が継続できることから、不倫によるダメージが小さいと判断されるのです。そのため、50万〜100万円が相場と考えておくといいでしょう。
2-2.不倫によって離婚へ発展したケース
不倫によって夫婦関係が破綻し、離婚へ発展したケースでは、慰謝料は上がる傾向があります。慰謝料請求の相場は、200万〜300万円と高額になるケースもあるでしょう。
2-3.状況・家庭環境・悪質度などによって慰謝料は変わるもの
慰謝料は、当時の家庭環境・不倫に至った状況・不倫の悪質度などから判断するため、それぞれの事情によって変わるものです。また、不倫の事実を証明できない場合も、慰謝料請求が減額されるか、請求すること自体が難しくなってしまいます。
3.不倫で慰謝料請求に必要な条件は?
不倫で慰謝料を請求するために必要な条件とはどんなものなのでしょうか?
3-1.確実な証拠をつかむこと
不倫で慰謝料請求をするためには、確実な証拠をつかむことが大切です。配偶者が不倫を認めたとしても、証明するものがなければ、慰謝料請求をする際に不利となる可能性があります。不倫相手と肉体関係がある・頻繁に会っているなどの様子が分かる写真や動画など、確固たる証拠を得ておくようにしましょう。
3-2.悪質度を判断できる証拠も集める
不倫の慰謝料は、悪質度によって増減があります。不倫している期間が長い・不倫相手との間に子どもが生まれた・独身だと偽っていたなど、悪質と判断できる要素を証明できるほど、慰謝料請求では有利です。悪質度を判断できる証拠も集めておき、慰謝料請求の準備をしておきましょう。
3-3.夫婦関係の破綻を証明する
不倫の慰謝料請求をする際は、夫婦関係の破綻を証明することも必要となります。不倫が原因で別居することになった・信頼関係が崩れたなど、客観的に判断できる材料をそろえておくことが大切です。
4.不倫で慰謝料請求をする際の流れ
不倫で慰謝料請求する際の流れをご紹介します。
4-1.不倫の証拠を集める
まず、不倫の証拠を集めましょう。不倫現場の写真・浮気相手の身元・密会の頻度など、不倫をきちんと認めてもらうためには、揺るがぬ事実を突きつけることが大切です。とはいえ、不倫の事実をつかむのは簡単なことではありません。尾行や追跡など、配偶者にバレないよう行動しなければならないからです。自分で証拠を集めるのが難しい場合は、浮気調査を専門に行う探偵などに依頼しましょう。
4-2.話し合いをする
不倫の事実を突きつけ、認めてもらうことが慰謝料請求では大切なポイントです。離婚するか、婚姻関係を継続するかなどについて配偶者と話し合い、その結果によって、慰謝料請求の金額などが変わってきます。配偶者ではなく浮気相手に慰謝料請求をする際は、浮気相手も交えて三者で話し合いを行うのが理想です。
4-3.弁護士に相談する
当事者での話し合いがうまく進まないのであれば、弁護士に相談してみましょう。不倫は不貞行為です。法律に詳しい弁護士なら、状況や収入などを考慮し、適切な慰謝料を請求するアドバイスをしてくれるでしょう。弁護士は、浮気や不倫に関する相談を数多く手がけているところを探すと安心です。
4-4.裁判をする
話し合いや弁護士への相談で解決しない場合は、裁判を起こす方法もあります。裁判を起こす際は、相談していた弁護士を介したほうがスムーズです。ただし、不倫を立証できる証拠を提示しないければなりません。事前に証拠集めを入念に行い、自分に落ち度がないことを明らかにできるよう準備しておきましょう。
5.不倫の慰謝料請求をする際の注意点
不倫の慰謝料を請求する際、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか? 注意点をご紹介します。
5-1.減額されるケースがあることを知っておく
不倫の慰謝料請求では、減額されるケースがあります。不倫する前から夫婦関係が破綻していた場合や、配偶者に対して夜の営みを拒否し続けていた場合などは、慰謝料が減額される傾向があるのです。前述した理由がある場合、不倫した配偶者だけを責めることができないと考えられます。
5-2.証拠がないと裁判は難しい
不倫の証拠がない場合、配偶者に不倫の事実を認めてもらうのが難しいため、裁判に持ち込むことができないケースがあります。慰謝料請求を考えているのであれば、探偵などを活用し、確固たる証拠を押さえておくことが大切です。
5-3.ダブル不倫は慰謝料請求ができない場合が多い
ダブル不倫だった場合、浮気相手の配偶者も被害者であるため、慰謝料請求ができないケースがほとんどです。双方で話し合いを行い、示談をすることをおすすめします。
6.不倫の慰謝料請求に関してよくある質問
不倫の慰謝料請求に関する質問を集めました。
Q.慰謝料とは何に対する補償なのか?
A.慰謝料は、不倫によって生じた精神的苦痛に対する補償です。人によって感じる精神的損害は差があります。人間不信など軽度な精神的損害だけでなく、うつ症状に陥るケースもあるでしょう。
Q.肉体関係を証明するためには、どんな証拠を準備しておくといいのか?
A.ラブホテルなどに出入りする様子を記録した動画や、性行為をしている写真などがあるといいでしょう。GPSを活用し、居場所を特定して記録しておく方法もあります。メールやラインなどの文章から肉体関係の有無を判断できる場合もあるでしょう。1つだけでなく、複数の証拠を用意しておくことで、配偶者に認めてもらいやすくなります。
Q.慰謝料請求に向けて証拠集めをする際、配偶者の携帯電話や持ち物を漁(あさ)るとどうなるのか?
A.携帯電話や持ち物を漁る行為は、プライバシーの侵害にあたる可能性があります。証拠集めをしたいと焦る気持ちは抑え、配偶者の許可を得てから確認しましょう。証拠を隠滅されてしまう恐れがある場合は、自分で調べようとせず、浮気調査のプロである探偵に依頼してみてください。
Q.不倫の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリットは?
A.弁護士は慰謝料を請求できる金額を法律に照らして適切に判断し交渉を行ってくれることです。費用はかかっても、弁護士に依頼すれば、後日トラブルになることを避けることもできるでしょう。
Q.婚姻関係を続ける場合と離婚する場合では、慰謝料の金額に差は出るのか?
A.はい、差があります。婚姻関係を続ける場合は100万円程度が上限で、離婚する場合は300万円程度が上限として、慰謝料請求が可能です。
まとめ
不倫は、民法で不貞行為とされているため、慰謝料請求が可能な場合があります。慰謝料請求に備え、相場や必要な条件などを知っておくと安心です。慰謝料請求をする際の注意点も併せて覚えておきましょう。