探偵業法とは? 知っておきたい探偵業法の目的と内容について

探偵というとなかなか一般の方には馴染みのないものかもしれませんが、浮気調査や身辺調査など、は年々利用者が増加しています。ネットなどで検索すればさまざまな探偵事務所が見つかりますが、中には違法業者もあるため注意が必要です。探偵事務所を開くためには、“探偵業法”に基づいた許可を取得しなければいけません。安いからといって安易に依頼すると、詐欺にあう可能性もあります。

そこでこの記事では、探偵業法の目的、主な内容について詳しく説明するとともに、信頼できる探偵の選びかたについても解説していきましょう。探偵への依頼を検討している方は、要チェックです。

  1. 探偵業法とは?
  2. 探偵業法の目的
  3. 探偵業法の主な内容
  4. まとめ

1.探偵業法とは?

探偵業をするにあたり、必ず知っておかなければならない“探偵業法”。最近は、探偵業をしている中に悪徳業者も増えてきています。探偵業法について把握しておけば、悪徳業者との見極めもできるでしょう。

1-1.探偵業の業務の適正化に関する法律

探偵業法は、探偵業の業務の適正化に関する法律のことです。この法律を訳して「探偵業法」と言います。探偵業の業務の適正化に関する法律では、探偵・興信所に関する決まりが載っているので、ぜひ確認してください。

たとえば、「他人の依頼を受けて」「人の所在または行動について」「面接による聞き込み」「尾行・張り込み」などに関する実施の調査が載っています。また、その営業を行うには、原則として探偵業者としての届け出を要する…のような内容です。

探偵業務の際は、「この法律によりほかの法令において禁止または制限されている行為をすることができることとなるものではないことに留意するとともに、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない」と記載しています。とても大切なことになるでしょう。基本的に、探偵業をすることで、特別な権限は与えられていません。

1-2.探偵業者の義務

探偵業者を営む場合、必ず、都道府県公安委員会に届け出をしなければなりません。公安委員会へ届出書を提示する義務があります。きちんと認められた探偵業者しか、探偵業をしてはいけないのです。また、探偵業者には義務があるので確認しておきましょう。主な義務は、次のとおりになります。

  • 書面の交付を受ける
  • 名義貸しの禁止
  • 契約内容に関する書面や重要事項説明書の交付
  • 秘密保持義務
  • 探偵業務の実施における規制
  • 従業員名簿の記載
  • 探偵業届け出証明書の提示
  • 従業員に対する教育、指導

以上のような点が、探偵業者の義務になっているのです。依頼者と契約を交わす場合は、違法な行為に用いらないこと、秘密保持義務があることなど、契約内容について記載した書面をきちんと確認し、交付しなければなりません。届け出をした証拠になる証明書は、必ずわかりやすいところに提示すること、そして、自分の名前で他人が営業することは禁止です。探偵業をする際、必ず守らなければならない義務になります。

1-3.必ず提出しなければならない「探偵業開始届出書」

探偵業が施行された平成19年6月1日以降から、探偵業を営む人は、必ず「探偵業開始届け出書」を営業所がある所在地の都道府県公安委員会に提出しなければなりません。提出し、「探偵業届け出証明書」をもらわなければ、探偵業ができないのです。そして、探偵業届け出証明書をきちんと営業所のわかりやすいところに提示することが、義務付けられています。営業所を訪れて、探偵業届け出証明書がない場合は、高確率で悪徳探偵業者だと思って良いでしょう。

2.探偵業法の目的

2-1.3つの目的

探偵業法が施行された目的は、全部で3つあります。「探偵業の規制を定めること」「業務運営の適正を図ること」「個人の権利利益の保護をすること」の3つです。探偵業は、何か問題やトラブルに悩んでいる人が、自分の代わりに解決してくれる探偵に依頼し、依頼者の悩みを解消するために、調査をします。しかし、中には高い探偵料を請求するだけで、きちんと調査しないところもあるのです。

そのため、探偵業法は探偵業の規制をしっかり定めることで、業務運営の適正を図る目的を持っています。また、探偵業をするにあたり、個人情報を取得するでしょう。個人情報を、個人の利益のために使わないように保護するのも大切な目的のひとつです。

2-2.探偵業を営むことができない人

探偵業法の目的において、探偵業を営むことができない人、「探偵業の欠格要件」を把握しなければなりません。適正を図るためにも、欠格要件はとても大切です。探偵業を営むことができない人は、以下のとおりになります。

  • 成年被後見人、被保佐人、破産者
  • 禁固以上の刑、探偵業法の規定に違反の刑になり、執行を受けることがなくなった日から5年以内の者
  • 最近5年以内に営業停止、廃止命令に違反した者
  • 暴力団、暴力団を抜けてから5年以内の者
  • 未成年者
  • 法人で役員のうち、以上の項目に当てはまる者

簡単に挙げると、以上の6項目が、探偵業の欠格要件になっています。いずれかひとつにでも当てはまる者は、探偵業を営むことができません。

3.探偵業法の主な内容

3-1.探偵業の範囲とは?

探偵業法において、探偵業となる範囲はどこからどこまでになるのでしょうか? 探偵業務は、基本的に依頼主から受けた相談を解決するために、行動を起こします。特定人の所在・行動についての情報を収集し、面接による聞き込みや尾行・張り込み、調査を行うでしょう。そして、調査結果を依頼主に報告するまでが、主な探偵業の業務範囲になります。

ここで気をつけてほしいのが、探偵業法は、決して捜査権・逮捕権を与えていないことです。探偵業には特別な権利があるというわけではありません。そのため、探偵業は、民間人の権利でできる範囲でしなければならないのです。

3-2.主な探偵業務をご紹介

探偵業における主な業務は、以下のとおりになります。

  • 浮気調査
  • 素行、行動、身辺調査
  • 家出人探し
  • 結婚調査
  • 信用調査
  • 債務者探し
  • ストーカー対策

主に挙げられるのは、以上の業務になるでしょう。ほとんどの探偵事務所では、浮気調査・素行や行動調査・結婚調査・信用調査を実施しています。個人だけでなく、企業や会社が探偵事務所に依頼し、取引先の会社を調べることもあるのです。探偵業の相手は、個人だけではありません。最近、特に多いのが、「浮気調査」や「結婚調査」ですね。

浮気による離婚率が増えているだけあり、探偵事務所に依頼する配偶者や恋人が増えてきました。また、最近は、SNSやインターネットで気軽に出会い、結婚をするケースも上昇傾向にあります。結婚調査の依頼も上昇傾向にあるのです。

4.まとめ

探偵業法とはどのような法律なのか、目的や探偵業の主な内容について説明しましたが、いかがでしたでしょうか? 探偵業法について詳しく知ると、さまざまなことがわかります。探偵事務所の数も増えてきましたが、中には不正を働くところもあるので、注意しなければなりません。探偵事務所を訪れたら、最初に、「探偵業届け出証明書」が事務所に掲示してあるかどうか、必ず確認してください。都道府県の公安委員会から認められた証拠になるので、とても大切な証明書になります。

  • 探偵業の業務の適正化に関する法律
  • 探偵業者にも義務がある
  • 必ず提出しなければならない「探偵業開始届け出書」
  • 探偵業法の目的は3つ
  • 探偵業の欠格要件
  • 探偵業は民間の権利内が業務範囲
  • 主な探偵業務を確認する

以上のポイントは、ぜひ抑えておいてください。探偵業法を営むのなら知っておいてほしい知識です。また、探偵事務所を利用する人も、悪徳探偵事務所にだまされないために知っておくと良いでしょう。