夫が浮気? 離婚を考える前に知っておくべき別居のメリットとデメリット

夫の浮気が発覚したとき、妻はどうすべきなのでしょうか。すぐに離婚を決断せずに、ひとまず別居する夫婦が増えています。夫の浮気を理由に別居することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。もちろん、デメリットもあるということを知っておいてください。

「夫の浮気を理由に別居したい」「別居のメリットとデメリットを知りたい」「別居を決める前の注意点を知りたい」そんな人たちのために、別居のメリットとデメリット、別居前に考えておくポイントについてまとめてみたいと思います。

  1. 別居のメリット
  2. 別居のデメリット
  3. 別居を決める前に考えておくポイント

1.別居のメリット

夫の浮気が発覚した際に、夫婦が別居するメリットをご紹介します。

1-1.冷静に考える時間ができる

ひとつ屋根の下にいることで、お互いに感情的になってしまいがちです。
夫が浮気したとなると、妻は夫の顔を見るたびにイライラしてしまうでしょう。
そのような状態で話し合いをするのは難しいことです。
夫の浮気という問題にどのように向き合っていくかを考えるためにも、客観的に物事を見る必要があります。
そのためにも、別居は必要な場合もあるでしょう。
生活環境を変え、自分の気持ちや相手との関係を見直すことで、2人にとってすすむべき道を見つけることができる可能性があります。

1-2.子供のメンタルケアができる

子供がいる場合、夫の浮気で情緒不安定になっている母親の姿を見せるのは悲しいことです。
母親が不安定だと子供も不安になります。
精神的に不安定になり、成長に支障をきたす場合もあるでしょう。
いったん別居をして母親が心の落ち着きを取り戻すことで、子供も安心するはず。
別居には「子供のメンタルケアができる」というメリットもあるのです。

1-3.専業主婦でも経済的に安心

専業主婦の場合だと「離婚してしまうと経済的に心配」という悩みもあるでしょう。
別居だと夫婦関係が解消されるわけではないため、夫が妻を経済的に扶養する義務を持ったままです。
ひとまず別居している間は経済的に安定しているので、今後のことだけをじっくり考えることができるでしょう。

1-4.引き返すことができる

別居したことで夫婦の関係を取り戻せた夫婦もたくさんいます。
離れて冷静に考えた結果「やっぱりやり直したい」と思う夫婦もいるでしょう。
離婚してしまっていたら、簡単にやり直すことはできません。
少しでも夫婦関係をやり直す可能性があるなら、離婚ではなく別居という形を選ぶべきなのです。

2.別居のデメリット

別居にはもちろんデメリットもあります。
後から悔やむことのないように、しっかり把握しておきましょう。

2-1.浮気の証拠をつかめなくなる

夫の浮気が原因で離婚を考えているなら、別居するべきではありません。
その理由は、浮気の証拠をつかむことが難しくなるためです。
裁判になった場合、自分に有利にするためには浮気の確たる証拠が必要。
ひとたびは浮気を認めたはずの夫が、いざとなったときにしらばっくれてしまうこともあるでしょう。
そのときのためにも、証拠は十分につかんでおくべきです。
しかし、別居してしまうと証拠集めは簡単にできません。
さらに、別居後は夫婦関係が破たんしていると見なされるため、夫が浮気相手と堂々とホテルに入っても咎(とが)めることはできないのです。

2-2.ますます気持ちが冷める可能性も

冷静になる目的で始めた別居のはずが、離れて暮らすことでますます気持ちが冷めてしまうケースも少なくありません。
両方が同じ気持ちであれば問題ないでしょう。
問題は、片方だけ気持ちが冷めてしまった場合。
「離婚を望んでいたはずではないのに、別居したために離婚するしか方法がなくなった」ということになる可能性もあるのです。

2-3.経済的なデメリットも

子供がいる場合に離婚すると、母子家庭や父子家庭に対して地方自治体から「児童扶養手当」が支給されます。
しかし、別居の場合は離婚しているわけではないため、この手当がもらえなくなってしまうのです。
子供1人当たり4万円以上、もらえるはずのものがもらえないのは悔しいでしょう。

2-4.ほかに好きな人ができてもすぐ再婚できない

別居していても婚姻関係は続いているため、ほかに好きな人ができてもすぐに新しい人生のスタートを切ることはできません。
たとえ夫婦関係が破たんしていたことが認められたとしても、再婚するには一定の期間を空けることが法律で決まっているのです。
また、すでに相手への気持ちは冷めてしまっているのに、その後も婚姻関係が続くのは、精神的にも苦痛を伴うでしょう。

3.別居を決める前に考えておくポイント

お互いのために別居を決断することが必要な場合もあるでしょう。
しかし、別居を決める前に考えておかなければならないポイントがあります。

3-1.経済的な計画を立てておく

別居する場合、最もしっかりと考えておかなければならないのがお金の問題です。
経済的に自立できるように準備をしておく必要があるでしょう。
まず、夫婦の扶養義務に基づいて支払いが認められる「婚姻費用」について知っておいてください。
婚姻費用は、別居をすると妻が夫から受け取ることのできる生活費です。
請求できる金額と方法についてしっかり調べておきましょう。
そのほかにも、仕事を確保しておくこと、住まいを探しておくことを忘れないでください。

3-2.面会について決めておく

夫婦の間に子供がいる場合は、別居中の面会についても決めておく必要があります。
別居中であっても、子供と離れて暮らす親には面会する権利があるのです。
相手に頼んでも面会を認めてもらえない場合は、家庭裁判所に面会交流の審判を申し立てることができます。
そのようなことにならないためにも、別居前に面会についてしっかり決めておきましょう。

3-3.「別居=離婚」になる可能性が高い

「夫の顔を見たくない」「夫も少し反省すればよい」という理由で別居を決めてしまうのは危険。
実際に世の中には、別居したことで関係をやり直せた夫婦よりも、そのまま離婚した夫婦の方が多いのです。
別居を決めるときは、離婚を覚悟してのことでなければなりません。
その覚悟がないなら、別居することを考えるべきではないということを覚えておきましょう。

まとめ

別居のメリットとデメリットをご紹介しました。

  • 別居のメリット
  • 別居のデメリット
  • 別居を決める前に考えておくポイント

「夫の浮気を理由に別居を考えている」「別居することのメリットとデメリットを知りたい」という人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。