離婚の理由と原因が知りたい! 一体なぜ、みんな離婚するの?
今や離婚は珍しいことではありません。「バツイチ」などと呼び方も軽くなり、生涯に2度、3度結婚する方もいるでしょう。また、夫の定年退職を機に離婚する「熟年離婚」も増えてきています。しかし、その一方で不用意に離婚してしまい困っている方もいるでしょう。
そこで、今回は離婚の原因や理由、さらに双方が後悔しない離婚のやり方などをご紹介します。
- 離婚とはどういうこと?
- 離婚を有利に進めるための方法
- いざ離婚!!そのとき必要なものとは?
- 離婚の話し合いでトラブルになりがちなことと解決法
- 離婚に調査が必要なときの業者の選び方
- 離婚に役立つサイト・本
- 離婚に関するよくある質問
一時的な感情で離婚届に判をつくと後悔しかねません。この記事を読めば、離婚の準備の方法やいざというときに頼れる場所などが分かります。配偶者との離婚を考えている方だけでなく、離婚のことをいろいろ知りたいという方もぜひこの記事を読んでみてください。
1.離婚とはどういうこと?
始めに、離婚の定義や現代の離婚率、それから増え続ける熟年離婚などについてご紹介していきます。今、日本の離婚状況はどうなっているのでしょうか?
1-1.離婚とは?
離婚とは、戸籍上入籍している夫婦が婚姻関係を解消することを指します。どれほど長く暮らしていても、仲がよくても入籍していないカップルが分かれても離婚とはいいません。
また、離婚は婚姻関係の期間には関係ないのです。たとえ、籍を入れて1日で別れたとしても、戸籍上には離婚の印がつきます。これがバツ印のため、離婚はバツイチともいうのですね。なお、裁判で「婚姻無効」や「婚姻取り消し」の判断が出た場合はこの結婚自体がなかったことになり、離婚にはなりません。
1-2.日本の離婚率や状況とは?
40年ほど前まで、日本では離婚はあまりよいイメージがありませんでした。特に、離婚をした女性に対する世間の目は厳しく、「世間体を考えて」離婚しない方も少なくなかったのです。しかし、今は3組に1組のカップルが離婚しているという調査結果もあります。
また、離婚に対するイメージもずいぶんと変わり、離婚経験がある方でも気にせずに再婚するという人が一般的になりました。
1-3.熟年離婚とは?
熟年離婚とは、結婚して20年以上の夫婦が離婚することを指す俗語です。2005年ごろから増加し始め、2007年には4万件を超え、全離婚数の15%を占めるまでになりました。ちなみに、単に年齢が高い夫婦が離婚しただけだったり別居状態が長かったりした夫婦が離婚した場合は、熟年離婚とはいいません。熟年離婚が増加した背景には、2007年4月より年金制度が変更された影響が大きいでしょう。
また、夫が定年して常に家にいる状態が耐えられないという妻が多いのも理由のひとつです。逆に、夫は定年後にのんびりふたりで過ごそうと思ったら離婚を突き付けられてとまどったという例が少なくありません。
1-4.なぜ、離婚をするのか?
離婚の理由は人によって違いますが、ランキング1位が「性格の不一致」、2位が女性は「暴力」、男性は「異性関係」だそうです。「性格の不一致なんて、付き合っているときに気がつかなかったのか?」と思う方もいるかもしれません。しかし、性格の不一致とは、単に気が合わなくなったということではないのです。
経済的な理由や相手の浮気・暴力など、はっきりした理由で離婚した場合も「性格の不一致」にカテゴライズされてしまいます。ですから、「性格の不一致」という言葉の裏にはいろいろな理由があるのです。
また、現在は女性の社会的進出が進み、男性に頼らなくても生きている方が増えています。そのため、「この人とはこれ以上一緒に住む価値がないな」と思ったら、さっさと離婚に踏み切る方が多いでしょう。
年配の方の中には「最近の夫婦はすぐに離婚してしまう」と苦々しく思っている方もいるかもしれません。しかし、熟年離婚の増加からも分かるように、「何とか我慢をして夫婦生活をしてきた」という人が少なくないのです。ですから、日本の現状は離婚が増えたというより我慢して結婚生活を続ける人が少なくなったともいえるでしょう。
2.離婚を有利に進めるための方法
離婚はふたりの意見が一致しなければスムーズに進みません。夫婦片方が離婚を渋ると、何年も泥沼の争いが続くということもあるでしょう。この項では、離婚を有利に進めるためのヒントをいろいろとご紹介します。
2-1.情報を集める
単に一時の感情で「離婚する」と思っても、うまくいきません。まずは情報を集めましょう。熟年離婚を例にとってご説明します。熟年離婚が増えた理由は、年金制度が改正されたからとご説明しましたが、それは必ずしも妻の方が有利になったというわけではないのです。ですから、自分が分割してもらえる年金の額などは、しっかりと調べておきましょう。そのうえで熟年離婚準備をすればうまくいきやすいです。
また、経済的な理由、配偶者の浮気・暴力などは、証拠を示せるようにしておきましょう。
2-2.浮気、借金、暴力などの証拠の集め方
配偶者の浮気、借金、暴力などは立派な離婚理由になります。しかし、ただ「相手がこれだけ悪かった」主張しても、証拠がないと認められにくいのです。特に、女性から男性への暴力や経済DVなどはまだ知名度が低く、訴えても信用されないかもしれません。
そのため、しっかりと証拠を集めましょう。暴力なら振るわれた時点で軽度でも病院を受診して診断書を取ります。経済的な理由ならば、家計簿をつけたり借金の額などを正確に調べておいたりしてください。浮気をしている場合は、その証拠をつかみましょう。探偵業者に依頼をするという方法もあります。
2-3.相談窓口
離婚をするときに、弁護士に依頼する方も多いでしょう。「離婚弁護士」といって離婚案件に強い弁護士もいます。しかし、弁護士に依頼すると少なくない費用がかかるのです。そこで、市役所の無料相談窓口を利用したりしましょう。
また、暴力を振るわれた場合は、女性シェルターなどにかくまってもらうと相談員がいます。
実家が離婚に反対している、貯金がない、配偶者の外面がよく話を信じてもらえないというケースほど、相談窓口の利用がお勧めです。もちろん、経済的に問題なければ最初から弁護士事務所を訪れてもよいでしょう。
3.いざ離婚!!そのとき必要なものとは?
この項では、離婚する際に必要なものや親権についてご紹介します。離婚をするときの参考にしてください。
3-1.離婚に必要なものとは?
離婚に必要なものは、離婚届ただ1枚です。これに必要事項を記入して役所に届ければ、それで離婚は完了します。結婚するときと同じですね。
離婚届は結婚届と同じように24時間受け付けてくれます。ただし、書類に不備があると受け付けてくれないので注意しましょう。離婚届が受理されれば、もう取り消しはできません。たとえ同じ相手ともう一度籍を入れても戸籍には離婚した事実が残ります。
また、離婚した瞬間に配偶者として相手に持っていた権利も失うのです。ですから、離婚届を出す前に必要なことはすべてやっておきましょう。
3-2.親権について
親権とは、未成年の子どもの監護、養育、財産の管理、子どもの財産の管理などを行います。つまり、取得すれば子どもを成人まで育てる義務を負うということと同義語です。親権は、子どもが幼いほど母親が有利になります。乳幼児の場合はほぼ母親が取得するでしょう。なお、子どもが15歳以上になったら自分で父親か母親どちらについていくか選べるようになります。
また、親権は財産管理権と身上監護権に分かれているのです。財産管理権は法律行為の同意権や財産管理、身上監護権はそのほかの権利になります。もし、親権をお互いに主張して譲らなかったり、親権を取得した方が子どもの養育に支障が出たりした場合は、親権と身上監護権を分けて両方の親が持つこともできるのです。
これらのことで不明点がある場合は、役所の法律相談窓口や弁護士事務所などに行ってみましょう。
4.離婚の話し合いでトラブルになりがちなことと解決法
離婚は、すんなりいくとは限りません。話し合いの最中にトラブルになることもあるでしょう。そこで、この項では特にトラブルになりがちな金銭のことを中心に、解決方法とともにご紹介していきます。
4-1.離婚にまつわるお金とは?
離婚するときに避けてとおれないのが、お金の話です。離婚とお金というと、すぐに「慰謝料」を思い浮かべる方もいるでしょう。そのほかにも、財産分与・養育費・年金分割などがあります。慰謝料というのは、配偶者の浮気が原因で離婚になった場合、精神的な苦痛の代償として支払われるもの。つまり、非があった方がなかった方に支払うお金です。
どちらにも非がなければ発生しませんし、男性から女性もあればその逆もあり得ます。財産分与というのは、結婚してからふたりで築き上げた財産のこと。貯金が代表的なものですが、有価証券や土地家屋であることもあるでしょう。
夫(妻)の退職金も財産分与の対象になります。たとえ妻が専業主婦でも結婚してから築いた財産は夫婦共有のものとみなされるのです。
養育費は、子どもが成人までもらえる権利のあるお金。年金分割は、2007年に始まった、離婚した場合厚生年金を分割してもらえる制度のこと。ただし、国民保険には適用されません。
また、年金が高い方が低い方へ分割しなければならないので、夫婦共働きだった場合は注意が必要です。
4-2.お金の話し合いについて
離婚にまつわるお金の話し合いは、当事者同士だとなかなか進みません。また、双方の親や兄弟など血縁者を加えて話し合っても、こじれやすくなるでしょう。ここは弁護士などの法律の専門家をはさんで話し合うのが一番です。多少お金がかかっても、財産分与や養育費などはきちんと取り決めをしておかないと、離婚後に悔やむことになるでしょう。
4-3.離婚の話し合いが長引いた場合の解決法
離婚は、双方の話し合いで条件を決めて離婚する協議離婚。家庭裁判所に離婚調停を申し立てる調停離婚、さらに裁判で離婚の有効性を問う離婚裁判があります。協議離婚ですめば、最も簡単でしょう。しかし、双方の主張がぶつかり合いどちらもひかない、ということは珍しくありません。ちなみに、離婚調停の申し立ては有責の方からもできます。ここでお互いの主張をぶつけて3人の調停委員の判断を仰ぐのです。
離婚調停はどちらが悪い、と判断を下すのではなくどうすればお互いに納得できるかアドバイスをする場でもあります。ですから、離婚を回避するように勧められることもあるでしょう。調停にかかる費用は数千円です。
この調停に理由なく相手が現れなかったり、話し合いの決着がつかなかったりした場合は離婚裁判になります。現在は、あまり裁判までいく例はありませんが、これから増えてくるかもしれません。
離婚裁判になると、収入印紙代や弁護士費用がかかります。これらの費用は慰謝料の請求額や養育費の有無によっても変わるので、詳しくは裁判所に問い合わせてください。
また、裁判に負けると相手の弁護士代以外の裁判費用が負担になります。つまり、離婚裁判までいくと費用がかかるのです。その前に決着できるようにがんばりましょう。
5.離婚に調査が必要なときの業者の選び方
配偶者が浮気をしているようだ、という場合は証拠をつかむ必要があるでしょう。そこで、この項では、業者に配偶者の調査を依頼するときの方法や注意点をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
5-1.業者の調査が必要なケースとは?
配偶者の浮気が原因で離婚したいという場合、証拠が必要です。しかし、素人が浮気の証拠をつかむのはなかなか大変でしょう。そこで、探偵業者に依頼して決定的な浮気の証拠をつかむのが一般的です。
5-2.どんな調査をしてくれるの?
探偵業者は、浮気相手の素性や浮気の頻度、さらに、浮気の証拠をつかんでくれます。浮気相手がどこのだれかが分からなければ、慰謝料などの請求もしようがありません。また、浮気の決定的な証拠とは、宿泊施設や相手の家に出入りする写真です。法律的に浮気とは相手と肉体関係があった場合だけ成立します。ですから、宿泊施設に出入りしている社威信が確実な証拠となるのですね。
5-3.業者の選び方や料金
探偵業者の調査料というと高額というイメージを持っている方も多いでしょう。確かに、調査費用は安くありません。しかし、1週間~10日と短期間ならば驚くほど高額にはならないでしょう。短期間で結果を出すには、依頼者もある程度情報を集めておく必要があります。
浮気相手との密会場所のヒントや素性などを配偶者の携帯電話や財布、ポケットの中から集めてみましょう。車で移動している場合はカーナビの走行記録なども参考になります。そういうものがあれば、日数が少なくてもよい結果が出やすくなるでしょう。
5-4.守秘義務について
探偵業者は守秘義務があります。依頼者のプライバシーは守られますので、安心して依頼しましょう。
6.離婚に役立つサイト・本
知って得する離婚マニュアル(名古屋離婚センター)
離婚相談窓口を運営している業者のページ。情報量が多く大抵のことが分かります。
弁護士が教えるパーフェクト離婚マニュアル
法律事務所が運営するサイト。
お金、子ども、手続きとカテゴライズ分けされていて知りたいことを探しやすいです。
こじらせない離婚 原口未緒著
この結婚もう無理と思ったら読む本と副題がつけられているように、泥沼離婚を回避するためのマニュアル本です。
7.離婚に関するよくある質問
Q.離婚は最短で何か月で成立するものでしょうか?
A.離婚自体は届を出すだけで大丈夫ですが、離婚後にスムーズにそれぞれが生活するためには、数か月かけてお金のことなどを話し合っておきましょう。
Q.父親でも子どもの親権は取れますか?
A.子どもが15歳以上ならば、その子の意志で親権者を選べます。小さい子どもの場合は養育実績を積んでいれば問題ないでしょう。
Q.専業主婦ですが離婚後の生活が不安です。少し多めに財産分与を申し立てられますか?
A.生活能力のない方が離婚した場合は、配偶者に生活費を請求できるのです。しかし、永久にというわけにはいきませんので、離婚までに生活の計画を立てましょう。
Q.慰謝料は浮気相手からも取れますか?
A.慰謝料は浮気相手にも請求できるでしょう。しかし、配偶者が独身と偽って関係を持っていた場合は、浮気相手も被害者になります。請求はできません。
Q.配偶者からの養育費が滞りそうで心配です。
A.養育費が途中で滞ってしまう例は少なくありません。そんな場合は一括で請求する方法もあります。また、滞った場合は給与を差し押さえる取り決めをすることもできるでしょう。
まとめ
いかがでしたか? 今回は離婚の原因や理由、さらに円満に離婚する方法などをご紹介しました。離婚は確かに身近なものになりましたが、決して軽々しく行ってはいけません。一時の感情に流されず、計画を立てて離婚をしましょう。