仮面夫婦は浮気が当たり前? 慰謝料はいらない? あなたの疑問を一挙解説
仮面夫婦とは、すでに相手に対する愛情がなくなっているのに、表面上は仲の良い夫婦を演じている様を指す言葉です。週刊誌やテレビの芸能ニュースで目にすることもあるでしょう。夫婦の形は人それぞれですが、仮面夫婦を言い訳に浮気をするのは問題です。特に、夫婦どちらかが仮面夫婦を解消しようとがんばっている時に浮気が発覚すれば、一気に離婚問題に発展することもあるでしょう。
そこで、今回は仮面夫婦と浮気の関係や、浮気をした場合の対処方法を解説します。
この記事を読めば、仮面夫婦にならないためのコツなども分かるでしょう。配偶者の浮気に悩んでいる方も、ぜひ読んでみてくださいね。
1.仮面夫婦の基礎知識
はじめに、仮面夫婦になってしまう原因や特徴などを紹介します。どのようなことが原因で、仮面夫婦になってしまうのでしょうか?
1-1.仮面夫婦の特徴とは?
仮面夫婦とは、前述したように夫婦としての愛情はお互いになくなってしまったものの、対外的には仲の良い夫婦を演じている様子のことです。最近ではタレントの三船美佳さんと高橋ジョージさんが離婚した際、盛んに仮面夫婦という言葉が使われたのを覚えている方もいるでしょう。
夫婦はもともと他人ですから、努めてコミュニケーションを取ることで愛情を深め、信頼関係を築いていきます。仮面夫婦になると、このコミュニケーションが極端に少なくなるのが特徴です。夫婦によっては、会話どころか挨拶すらしないことも珍しくありません。
また、夫婦で共に過ごす時間も皆無になるでしょう。現在は夫婦共働きのご家庭もたくさんありますが、仮面夫婦になるとお互いに家では食事もとらず、寝に帰るだけということにもないがちです。
さらに、お互いへの関心も薄れ、夫や妻が何をしていても気になりません。子どもがいる場合は夫婦どちらかが主に面倒を見て、もう一方は子どもにも無関心になることもあります。
1-2.仮面夫婦になる原因
仮面夫婦になる原因はさまざまですが、一例をあげてみると、
- 一緒に暮らしているうちにお互いの欠点が目につくようになり、愛情が薄れた
- お見合いや子どもができたことがきっかけなど、もともと結婚に乗り気ではなかった
- 世間体で結婚したため、結婚当初から配偶者への愛情がなかった
- 浮気が原因で配偶者への愛情が一気になくなった
というものがあります。
1-3.なぜ、離婚をしないのか?
全くコミュニケーションを取らない相手と結婚生活を続けるのも、大きなストレスです。現在、離婚は昔ほど悪いイメージはなくなりました。それなのに、なぜ離婚を選択しないのかというと、経済面と子どもの親権が問題となっているケースが多いのです。
女性の社会進出が進んだとはいえ、女性の給与は男性に比べると低く抑えられています。また、非正規雇用者の割合も男性に比べると高く、離婚をしたら経済的に立ち行かなくなってしまう方も珍しくありません。
男性は、職種によっては離婚が出世の妨げになってしまうこともあるでしょう。
また、子どもの親権をどちらも手放したくないという夫婦も、離婚よりは仮面夫婦を選択する理由となっています。
高齢の夫婦の中には、老後が不安だから離婚よりは仮面夫婦の方がまし、と考えている方もいるでしょう。
1-4.仮面夫婦は増えているの、減っているの?
日本の離婚率は2002年をピークに減少を続けています。これを理由に仮面夫婦が増えているという方もいますが、婚姻率も減っていますので、離婚率が減少しているから仮面夫婦が増えている、とは言いきれません。そもそも、仮面夫婦は第三者の前では仲の良い夫婦を演じているので、離婚して初めて「実は仮面夫婦だった」と打ち明けられることも多いでしょう。ですから、現在のところ、仮面夫婦の正確な数字や増減傾向は分かっていません。しかし、仮面夫婦で悩んでいる方も珍しくなく、子どもが影響を受け、良好な人間関係を築きにくくなっているケースもあります。
2.仮面夫婦と浮気について
この項では、仮面夫婦と浮気について解説しましょう。浮気が原因で仮面夫婦になってしまった、というケースもあります。
2-1.仮面夫婦の浮気は珍しくない?
仮面夫婦は、当然セックスレスです。寝室も別という夫婦も多いでしょう。ですから、夫婦が両方とも浮気をしていたというケースも珍しくありません。
お互い相手に無関心ですから、「浮気をするのもどうぞご自由に」ということもあるでしょう。
夫婦そろって相手の浮気を公認しているのなら、問題は無いように思えます。しかし、仮面夫婦の浮気でも、問題は発生するのです。その一例を次の項から紹介していきましょう。
2-2.浮気が原因で仮面夫婦になった場合
配偶者の浮気が原因で、仮面夫婦になってしまったということもあります。この場合、仮面夫婦を続けていてもまだ愛情が残っており、離婚に踏ん切りがつかないということもあるでしょう。なんとか夫婦としてやり直そうとがんばっている人もいます。しかし、その最中にまた浮気をすれば、今度こそ配偶者が愛想をつかして離婚問題に発展することもあるでしょう。
2-3.浮気相手がトラブルを起こす場合もある
「家庭を壊さなければ、浮気をしても問題ない」と夫婦間で納得していても、浮気相手が納得しないケースもあるでしょう。特に結婚適齢期の独身者と浮気をした場合、「体だけの割り切った関係」にはなりにくいのです。口では納得した風なことを言っていても、浮気が長引くにつれて結婚を迫ったり、配偶者に離婚をするように電話をしたりすることもあるでしょう。こうなると浮気相手と別れることも難しくなり、家庭が壊れてしまうこともあります。
2-4.子どもに悪影響が出る
子どものために離婚しないという仮面夫婦の場合、それだけでも子どもにあまりよい影響を与えません。これに浮気まで加わればなおさらでしょう。子どもが非行にはしることもあります。また、浮気に夢中になって子どもに向き合えなくなることもあるでしょう。子どもは幼くても両親の仲を敏感に感じ取ります。「子どもだから何もわからないだろう」と思ってはいけません。
3.浮気をした場合の対処方法
この項では、配偶者が浮気をした場合の対処方法を紹介します。仮面夫婦と普通の夫婦では対処方法に違いはあるのでしょうか?
3-1.仮面夫婦は婚姻関係が破たんしている?
浮気は、配偶者に対する重大な裏切り行為です。浮気をした場合は、慰謝料を請求されますし、社会的な信頼も損なうことでしょう。しかし、結婚はしていてもすでに婚姻関係が破たんしているとみなされた場合は、裁判所などで浮気と認められないこともあります。婚姻関係が破たんしている定義として
- 別居している
- 配偶者のために家事をしていない(炊事・洗濯・掃除など)
- 生計が完全に別である(家にお金を入れていない、配偶者のためにお金を使わない)
- 性交渉がない
などが挙げられるので、当てはまる夫婦もいるでしょう。ただし、配偶者は食べないけれど毎日きちんと食事が用意されていた場合や、配偶者の家族(父母兄弟)を介護していたという実績がある場合は、婚姻関係が破たんしているとはみなされません。
3-2.浮気が離婚のきっかけになることもある
仮面夫婦の中には、夫婦としての愛情は完全に無くなったけれど離婚するのも面倒、という理由で婚姻関係を続けている場合もあります。この場合、浮気が離婚のきっかけになることもあるでしょう。また、浮気がきっかけで仮面夫婦となり、浮気の再発で離婚に踏み切るというケースもあります。
これらの場合、通常の夫婦が離婚する場合より、離婚の話し合いがスムーズにいくことが多いでしょう。ただし、後で財産分与や子どもの親権でもめないように、弁護士などの法律家に間に入ってもらい、夫婦間で決めた条件を文章に残しておくのがおすすめです。
3-3.慰謝料はもらえるの?
慰謝料とは、精神的な苦痛に対するお詫びの気持ちとして払うお金のことです。仮面夫婦であろうと、浮気をすれば配偶者の気持ちを傷つけることになりますので、浮気した配偶者や浮気相手に慰謝料を請求することはできます。ただし、前述したように婚姻関係の破たんを理由に慰謝料の支払いを拒否したり、減額を要求したりしてくることもあるでしょう。
話し合いがこじれないように、こちらも弁護士を間に挟んで話し合いをするのがおすすめです。
3-4.関係修復は可能?
配偶者が浮気をしたことで、はじめて夫婦の関係を見直すことができたという例もあります。仮面夫婦を長く続けていると、その状態が当たり前になり、改善をしたくてもその方法が分からなくなることもあるでしょう。浮気をきっかけに配偶者とのコミュニケーションが増え、浮気をやめ、改めて夫婦として歩んでいく決心がつくこともあります。浮気が発覚したら、一度夫婦で話し合ってみましょう。仮面夫婦をやめるきっかけがつかめるかもしれません。
3-5.相談先などについて
配偶者が浮気をしているかもしれない、証拠を掴みたい、という場合は探偵業者を利用する方法があります。浮気の確実な証拠を掴まなければ、離婚の話し合いや慰謝料の請求がうまくいきにくいでしょう。単体業者に依頼すれば、浮気の証拠だけでなく浮気相手の素性や住所まで調べてくれます。
また、離婚に強い弁護士に相談をして間に入ってもらうと話し合いがスムーズに進みやすいでしょう。今は弁護士の依頼もしやすくなり、事務所によってはメールや電話で相談ができるところもあります。弁護士に依頼するとお金はかかりますが、話し合いをスムーズに進めるための必要経費と考えましょう。
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4.仮面夫婦や浮気にかんするよくある質問
Q.同じ家に住んでいても、婚姻関係が破たんしていると認められることはあるのでしょうか?
A.お互いのために家事をしない・家にお金を入れない・性交渉がない、という場合は、破たんしているとみなされることもあります。
Q.子どもの親権で争っていますが、どうすれば親権取得することができるでしょうか?
A.親権を取得したい場合は、養育実績が大切です。ほとんど子どもの世話をしていないようでは、親権を取るのは難しいでしょう。また、子どもが小さいほど母親に親権が渡りやすくなります。
Q.正式に離婚をせずに別居した場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか?
A.夫婦のままですと相手への介護義務・扶養義務などが発生します。また、借金を残して亡くなった場合、相続をすると借金も相続することになってしまうでしょう。
Q.仮面夫婦にならないようにするコツはありますか?
A.コミュニケーションが大切です。特に、お礼と感謝の言葉を忘れずにおこないましょう。
Q.配偶者が浮気相手の家に逃げ込み、離婚の話し合いに応じようとはしません。
A.調停を申し立てましょう。無視をすれば、相手の言い分は一切受け入れられずに離婚が成立してしまうこともあります。調停を行うことを相手に告げるだけでも効果があるでしょう。
5.おわりに
いかがでしたか? 今回は、仮面夫婦と浮気についていろいろと解説しました。夫婦の形は夫婦の数だけありますから、オシドリ夫婦だけが良いというわけではありません。しかし、挨拶すら交わさない相手と同じ家に住むのは、思っている以上に心身に負担がかかります。口もききたくもなく、姿を見るのもいやという場合は、一度話し合いを行い夫婦の将来について意見を交わしましょう。